では、地元米子市における公共交通の実情はどうなのか。JR米子駅にほど近い、米子市役所交通政策課で話を聞いた。
米子市では、現在は2019年9月に策定した「米子市公共交通ビジョン」に基づいた「米子市地域公共交通計画」を推進している。基本理念は「公共交通を活かした 住んで楽しいまち よなご」。
市民イベントとしては、「よなご公共交通ふれあいフェスタ」を開催しており、今年11月15日には第5回を迎える。
毎年9~10社の事業者と市民が和気あいあいとした雰囲気で行う恒例行事であり、その中で行政と民間事業者との関係が深まったことで「バスの無料デー」が実現したという経緯がある。
無料での乗車体験をきっかけに、日常的にバスを使う人が着実に増えているという。また、鳥取大学病院と米子駅間で自動運転バスの実証試験を行うなど、公共交通の可能性について検証も行っている。
地域社会を総括するプラットフォームという概念
現状では、路線バスや市内中心部を循環する「だんだんバス」など、一般的な公共交通の運行に注力している一方、鳥取県の施策に目を向けると、「鳥取県西部地域公共交通計画」(令和5年度〜令和10年度)が興味深い。
公共交通事業者同士や他分野との共創(連携・協調による相乗効果の発揮)により、持続可能でまちと一体的に発展していく地域公共交通の実現を目指すとしている。
特長は、鳥取県西部地域の地勢、人口分布、人口推移、高齢化のみならず、役場・支所・公共施設(図書館・体育館)、医療施設、教育機関、商業施設、観光施設の場所を踏まえた交通流の把握と、課題解決に向けたデータ化を構築している点だ。なお、同様の施策が鳥取県中部と東部に設定されている。
このように、鳥取県西部地域は、地域社会を総括するプラットフォームという概念が確立されており、前述の地域生活圏のあり方についての協議を進めやすいという印象だ。
今回の取材は、鳥取県西部地域における地域生活圏に対するプロローグ。これからも同地域の動きを定期的に確認していきたい。


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