不正が起きるたびに、企業は制度を見直す。内部通報の窓口をつくり、監査を強化し、報酬の仕組みを変える。どれも必要なことだ。
空気をつくるのは身近な上司
実際、KPMGの調査でも、不正が発覚した経路で最も多かったのは内部からの通報で、56%を占めた。声を上げる人がいれば、不正は見つかるのである。
ただし、声を上げられるかどうかを決めるのは、制度ではない。その職場の空気だ。
そして空気をつくるのは、いつも身近な上司である。稼ぐ人にも、そうでない人にも、同じ基準で接する。言いにくいことを、言うべきときに言う。そんな上司が一人いるだけで、周りは「ここでは言っていいのだ」と学んでいく。
逆に、上司が稼ぐ人に遠慮していれば、どれだけ立派な制度があっても使われない。窓口はあるのに誰も通報しない。監査はあるのに誰も指摘しない。そんな職場になってしまう。
牽制機能とは、仕組みの名前ではない。人の振る舞いのことである。止める人が止められる職場かどうか。それを決めているのは、組織マネジャー自身なのだ。


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