ニデックの場合、止める役は経理部門だったはずだ。数字がおかしければ「おかしい」と言う。それが経理の仕事である。
しかし報告書によると、本社のCFOや経理部門までが、事実上の業績達成責任を負わされていたという。連結の目標を達成するために、会計不正を主導した例もあった。止める側が、帳尻を合わせる側に回っていたのだ。会計処理を正当化する理由をつくり、監査人に事実と異なる説明をしたケースまであったという。
ここで注目したいことがある。ニデックの報告書は、創業者が会計不正を指示したり主導したりした事実は見つからなかった、としている点。それでも、最も責めを負うべきは創業者だと結論づけた。
誰も「不正をやれ」とは言っていない。にもかかわらず、止める役が止めなくなった。これが、2社に共通する構図ではないか。
2社だけの話ではない
「完全歩合制でも営業でもないから関係ない」
そう考える人もいるだろう。だが、本当にそうだろうか。次の調査結果を見てほしい。
KPMG Forensic & Risk Advisoryが、国内の上場企業を対象に実施した調査である。388社が回答した。過去3年間に不正が発生したと答えた企業は37%。前回の32%から上昇している。


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