「自民党が多数を維持している衆議院と異なり、参議院は与党が過半数を維持していない。立憲民主党の斎藤国対委員長が自民党の磯崎仁彦参院国対委員長に『農水委員会の開催に応じない』と宣言した以上、国会の審議が止まることになりかねない。参議院を軽視している高市早苗首相は、国会の回し方を知らないのではないか」
日本国憲法は予算や首班指名、条約および参議院が法律案を可決しない場合の「見なし否決」など、「衆議院の優越」を認めている。だが、それは参議院を軽視することを意味しない。
とりわけ参院自民党は、衆議院からの独立の気運が強く、村上正邦氏、青木幹雄氏、吉田博美氏といった歴代の“参議院のドン”を生み出してきた。
その系譜を受け継ぐのが石井準一前参院幹事長といえるが、松山政司会長は9月15日に石井氏を更迭。その理由は、本年度予算を昨年度内に成立させられなかった石井氏を高市首相が嫌ったためと言われる。
石井氏更迭で噴出する不満
ただ、予算成立の遅延の原因は高市首相が作ったものだった。2月8日に衆院選が行われたため、予算の審議入りが2月26日と例年より1カ月ほど遅延した。そのために審議時間は59時間と、通常の92時間から4割近く削減された。
一方で野党が多数を占める参議院では、通常は衆議院の8割とされる審議時間を衆議院と同じ59時間に積み上げ、集中審議の回数も3回と衆議院を上回った。衆議院では分科会も省略されたが、参議院では例年どおりに委嘱審査が行われた。
こうした事実はまさに「良識の府」の面目躍如といったところだが、それが高市首相の逆鱗に触れたようだ。高市首相が「あの人、替えられないの?」と、石井氏への不信感を周囲に漏らしたとも伝えられている。そして石井氏の更迭人事について、参議院では不満が噴出した。
「(石井氏が)一番の功労者だったと思うのに、なぜ人事を替えられたのか」
参議院で代表質問が行われた10月8日。本会議前に開かれた自民党議員総会で、西田昌司参院議員が声を挙げた。


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