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「歴代最低の三冠王」との声もあるが…《三冠王獲得》阪神・佐藤輝明は本当に"数字がショボい"のか検証してみた結果

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佐藤輝明
NPB4年ぶりとなる三冠王に輝いた佐藤輝明。CSに望むなか、傑出度を分析した(写真:アフロ)
  • 徳重 龍徳 コラムニスト、エンタメ評論家
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この数値をひと目見ただけでは「史上最低の三冠王」と呼びたくなる気持ちもわからなくはない。

投手の能力や環境に左右される

しかし、そもそも異なる時代の打撃成績を、数字だけで比較することは妥当なのだろうか。野球は打者と投手の勝負である。当然ながら打撃成績は対戦する投手の能力や、その時代の野球環境によっても左右される。

特に近年のプロ野球は「投高打低」と言われている。実際、今年のセ・リーグで打率3割を超えたのは佐藤ただ1人で、打率2位は東京ヤクルトスワローズの増田珠の.293だ。リーグ全体の打撃成績が低迷していることの表れとも考えられる。

そこで今回、歴代三冠王をより公平に評価するため、三冠王を獲得した年の所属リーグ平均と、三冠王本人の成績を比較してみることにした。なお表中の打率や本塁打率などは、表示上四捨五入している。傑出度は、四捨五入前の元データから算出し、最終結果のみ小数第4位を四捨五入した。順位は四捨五入前の数値で決定している。

<打率編>

リーグ平均打率との比較では、佐藤は8位となった(画像:筆者作成)

まずは打率から見てみよう。今年のセ・リーグ全6球団の総打数は2万8495、安打数は6714本だった。リーグ平均打率は.236となる。一方で、佐藤の打率.306は、このリーグ平均の1.299倍だ。歴代12例を比較すると、佐藤は8位。決して上位ではないが、最下位ではないことがわかる。

では、過去の三冠王はどうだったのだろうか。

最も傑出していたのは86年のバースだった。この年、バースは打率.389を記録。これは歴代三冠王の中でも最高の打率だ。さらにバースがすごいのは、その年のセ・リーグ平均打率.259の1.5倍という圧倒的な打率を残したことだろう。現在もプロ野球最強の助っ人と言われるのには理由がある。

そしてバースに続くのが73年の王貞治だ。この年、王の打率は.355だったが、当時のリーグ平均打率は.237。傑出度は1.496倍とこちらも圧倒的な打率を残していた。

一方、意外なのが22年の村上宗隆だ。村上は打率.318で三冠王となったが、当時のセ・リーグ平均打率は.248。倍率にすると1.282倍だった。今年の佐藤は1.299倍なので、打率そのものの数字は村上より低いにもかかわらず、リーグ平均に対する傑出度では佐藤が上回っていたことになる。

記録の数字の比較だけでは見えてこないものが、早くも現れたのである。

<本塁打編>

本塁打率では6位という結果に。図表を見ればわかるように、時代によって本塁打の出やすさは大きく異なっている(画像:筆者作成)

続いて本塁打を見てみよう。プロ野球では年代により試合数が違う。このため単純な本数ではなく、打数に対する本塁打の割合、つまり本塁打率で比較することにした。

今年の佐藤は539打数で39本塁打を記録した。つまり本塁打を13.82打数に1本の割合で打っていたことになる。一方で、今年のセ・リーグ全体では43.97打数に1本のペースで本塁打が生まれている。これを比較すると佐藤はリーグ平均の約3.18倍のペースで本塁打を放っていた。歴代三冠王12例と比較すると佐藤の傑出度は6位だった。

歴代で最も傑出していたのは、22年の村上だ。村上は487打数で56本塁打を記録。本塁打率は8.70だった。これに対して当時のリーグ平均は41.61。村上の本塁打率はリーグ平均と比較し4.784倍もホームランを生み出していた。

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