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2026年アメリカ中間選挙は、「ラストベルト」「サンベルト」に次ぐ第3の主戦場「センターライン」に注目せよ

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中間選挙で苦戦が噂されるトランプ大統領。第3の主戦場「センターライン」とは(写真:ブルームバーグ)
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まず農業州であるカンザスは、トランプ政権の関税政策で輸出が打撃を受けている。昨今のディーゼル価格上昇も、農家の経営を直撃して不評である。加えて、民主党のハミルトン候補は巨大メソジスト教会の牧師さんで、元は共和党員だった。もともと穏健派が多いお土地柄だけに、中道派のアピールが刺さるのである。

面白いことに、同時に行われているカンザス州知事選では、民主党現職に対して共和党挑戦者がリードしている。つまり民主党のブランドイメージが上昇しているわけではない。州の政治は共和党に任せても良いのだが、上院や下院選では「トランプ政治に対する是非」が問われている。だから単純に「ブルーウェーブが来ている」わけではないようだ。

ネブラスカ州はさらに面妖なことになっている。ここは共和党現職のピート・リケッツ上院議員に対し、民主党が候補者を立てていない。無所属新人のダン・オズボーンが挑戦し、ほぼ互角の戦いを演じている。この人、元は組合の委員長として地元の工場ストを率いた「ブルーカラー・ポピュリスト」である。それが接戦となっているのだから、民主党が「不戦敗」を決断したことが好判となっている。

実はセンターラインは大物上院議員の供給源

こうしてみると、「センターライン」はかならずしも青く染まっているわけではない。むしろ、いろんな理由で共和党連合が崩壊しつつある。それから候補者自身の資質によるところが大きい。加えて「反ワシントン」感情も根強い地域である。

カンザス選出の上院議員と言えば、1996年の共和党大統領候補となったボブ・ドールを思い出す。いやいや、それだけではない。戦前にはフーバー政権の副大統領を務めたチャールズ・カーティス氏がいるし、戦後では「共和党の良心」と呼ばれたナンシー・カッセンバウムがいる。ネブラスカ州は、戦前に「史上もっとも偉大な上院議員」と言われるジョージ・ノリスを輩出したし、最近では国防長官も務めたチャック・ヘーゲルがいる。民主党では、一匹狼タイプで知事も務めたボブ・ケリーなどが懐かしい。

さらに北隣のサウスダコタ州まで目を伸ばすと、ここには大統領候補になったジョージ・マクガバン氏、上院院内総務を務めたトム・ダッシュル氏(いずれも民主党)、さらに現・上院院内総務のジョン・スーン氏もいる。アメリカの「センターライン」は、実はとてつもない大物上院議員の供給源なのだ。

地味なように見えて、大物政治家が多く出ている地域というと、なんだか過去に4人の首相を輩出している岩手県みたいである(原敬、斎藤実、米内光政、鈴木善幸)。同県には加えて後藤新平のような大物もいる。それぞれが個性豊かで、主義信条がバラバラであるところも「岩手県風」と言えようか。

思えばアメリカの「センターライン」は、グレートプレーンズと呼ばれる大平原が広がる穀倉地帯である。およそ農業州は、政治に強くないとやっていけない。しかるに有権者は「反中央」意識が強い。そこで政治家は、地元では「反ワシントン」を唱えつつ、ワシントンに行ったら連邦政府の予算をしっかり取ってこなければならない。なおかつ、人口が少ない分だけ有権者との距離が近いので、選挙は必然的に「人物本位」となる。つまり党の看板だけでは勝てない。なるほど政治家が鍛えられるわけである。

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