その具体的なヒントを求めて私は、ボーイスカウト、冒険遊び場(プレーパーク)、全国てらこやネットワーク、放課後NPOアフタースクール、トーキョーコーヒーという5つの地域教育の現場を訪ね歩き、『余白と贈与で子は育つ』にまとめました。
その経験からポイントだけを述べると、たとえば「てらこや」や「トーキョーコーヒー」は不登校増加をきっかけに始まった世直し運動です。そこからもわかるように、地域社会の空洞化と不登校はつながっています。現在の学校が改善を要するのは事実ですが、学校を改善するだけでは不登校の問題は解決しないと私は思います。地域社会の復興もセットで考えるべきです。
これらの活動を活性化して、学校が抱え込みすぎてしまったものを少しずつ地域に戻していけば、子どもの声と気配が地域に還り、地域も元気を取り戻します。また、不登校の受け皿としてのフリースクールの存在は逆に、地域社会再生の足がかりにもなり得ます。
フリースクールは学びの主導権を取り戻す足がかり
数々のフリースクールを訪ね歩いた結果、現代のフリースクールはある意味で、かつての松下村塾や適塾のような私塾に似ているなと感じました。
ロシアの文豪レフ・トルストイは「お上の手で強制的につくられた学校は(中略)児童たちが勉強しよいようにではなく、教師たちが教えるのに都合よくつくられている」と喝破しています。そして自ら、いまでいうところのフリースクールのような私塾を開きました。
フリースクールは、単なる学校の代替物ではありません。立派な学校制度ができてしまったことによって世の中から捨て去られてしまった大切な何かを私たちの手に取り戻すために、必然的にいま全国に同時多発的に生まれていることがわかりました。中央集権的な学校教育制度に対して、地域教育の拠点となり得るのがフリースクールなのです。


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