有料会員登録
ライフ #ルポ”超一等空き地”を追う

「売れば余裕で100億円超」「新宿駅から徒歩数分」なのに更地のまま…超一等地にある"謎の空き地"が放置され続けた経緯

8分で読める
新宿駅から徒歩圏内に、約9500m²の国有地がある(写真:筆者撮影)
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

請願は6月16日の委員会で「異議なし」により採択され、6月20日の本会議でも「異議なし」で採択された。9月の議会では、区長が請願の採択を重く受け止め、請願内容に基づく対応を速やかに図るよう国に申し入れたと答弁している。

建物の解体撤去工事が契約されたのは、2024年7月。2015年9月に閉鎖が決まってから、すでに8年10カ月が過ぎていた。その後も、防草シートの敷設や土壌汚染の調査が契約され、2026年7月には、解体撤去の第2期工事に向けた設計業務が公告された。

筆者が訪ねたのは、その翌月の8月だ。緑色のシートが敷かれ、コンクリートブロックが点々と置かれた敷地は、2024年に契約された解体撤去工事の跡だろう。現場に雑草とゴミが残っていたのも、そう考えれば不思議ではない。

手続きは動いたのに、なぜ景色は変わらないのか

改めて、経緯をまとめてみよう。

閉鎖が決まっていた2015年9月から、すでに11年が経った。この間に、渋谷区への時価売払いは答申されたが、見積もり合わせは不調に終わり、国は留保財産とした。

2023年、区議会で利活用と解体を求める請願が採択された。建物の解体撤去は2024年に契約され、防草シートの敷設や土壌汚染の調査も契約された。2026年7月には、解体撤去の第2期工事に向けた設計の業務が公告された。

公表資料でたどれるのは、ここまでだ。この先は当事者に聞くしかない。

まず、区議会。見積もり合わせで、国の予定価格と区の評価には、どれほどの開きがあったのか。請願の採択後、区は国に申し入れたと答弁している。国からは、どんな返事があったのか。

次に、地域住民。住民は、この状態が続くことを何より気にしている。その懸念とは、具体的に何なのか。利用方針を考える場に、住民の声は届いているのか。

そして、関東財務局。留保財産とした理由と、定期借地で貸し出す見通しは立っているのか。土壌汚染の調査で何が分かったのか。2024年に契約された解体撤去工事は、どこまで終わったのか。また解体撤去は、なぜ期を分けて進めているのか。第2期の工事は、どこを、いつまでに壊すのか……。

100億円以上もの眠れる新宿の土地は、いつまで眠ったままなのか。「ルポ“超一等空き地”を追う」初回はここまで。次回は、この請願を審査した渋谷区議会議員に、話を聞く。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数