これらのニーズをうまく獲得しようと誕生したフードホールが、駅から徒歩10分ほどに位置する「BREWERY BASE 新横浜」だ。
なぜ「ビール」なのか
駅を出て東海道新幹線の高架下を歩いていくと、雨が降る曇り空と高架のコンクリート色の中に突如、ビールの陽気な黄色を中心にあしらったBREWERY BASE 新横浜が現れる。
この場所にはもともと駐車場があった。線路の耐震工事などを経て新たな活用方法を模索している中で、施設を所有する新横浜ステーション開発と、全国にシェア型フードホールなどを展開するfavyがタッグを組んで生まれた。
その名の通りとにかくビールを中心に据えたフードホールで、席数は53と、テラスが少々。フードホール(フードコート)としては、かなりこぢんまりとしたスペースだ。
テナントはビールやハンバーガーを提供する「PERFECT BEER HALL」と中華料理の「完璧麦酒飯店(カンペキバクシュハンテン)」、さらに現在は整備中だがじきにオープンするクラフトビールの醸造所でつくったビールを提供するビールスタンド「BEER BREAK」も営業予定だ。テナントは3つともPERFECT BEERが運営する。
なぜ、ビールを選んだのか。この点にはBREWERY BASE 新横浜のロケーションが大きく関係している。
新横浜にはオフィス街とエンタメ、住宅街としての機能があると先に触れた。このうち日常利用を見込め安定的な売り上げにつなげられる需要はオフィス街と住宅街からのニーズだ。
しかし、同施設はオフィス街の中にあるわけではない。favyの高梨巧社長自身も「オフィス街の切れ目に位置し、ランチ需要を取りに行くにはギリギリのロケーション」と話す。また住宅街のニーズは平日の夜や土日が想定できるが、「データを分析すると、出勤する人は近隣の菊名駅を利用するケースが多かった」(高梨社長)。
こうした「日常の動線外にある」という立地に鑑み、わざわざ足を運びたくなるようなコンテンツとして、醸造施設を併設したフードホールとしたわけだ。
とにかく「最高のビール」を味わえる空間
テナントを運営するPERFECT BEERは、ビールメーカーに勤めた経験も持つ藤沼正俊氏が立ち上げたビール専門店の運営などを行う企業だ。ビールサーバーの徹底したメンテナンスや樽・ガス圧の管理、グラスの洗浄などを通して、ビールを完璧に近い状態で出すことに注力している。


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