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中国のIT都市・深圳から車で1時間、広東省東莞市の松山湖の湖畔に、ヨーロッパと見まごうような建物が128棟並ぶ。尖塔を持つ城館が湖面に映り、町から町へオレンジ色の列車が走る。通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の研究開発拠点「松山湖キャンパス」だ。
日本の店頭に並ぶファーウェイ製品は、スマートウォッチとワイヤレスイヤホンが中心だ。だが本体は、売上高8809億元(約20兆円)の企業だ。
12の町を列車で巡る
松山湖キャンパスの着工は2015年、完成は18年だ。約130万平方メートルの敷地を12のエリアに分け、ここだけで2万5000人の研究開発者が働く。
エリアごとにテーマとなる街が決まっていて、パリ、ハイデルベルク、ブルゴーニュ、ヴェローナといった欧州の街から、名の知れた建物だけを切り取って集めている。外から眺める限り、オフィスには見えない。1分の1のミニチュアを建てたような箱庭だ。それでも通りにはファミリーマートやセブン-イレブン、KFC、カフェの看板が点在し、人が働く場所だとわかる。
エリアの間は構内列車で移動する。環状の3路線が各エリアの駅を結び、路線の一部は重なっている。最短の1号線は8つの町を13分で一周する。上から見れば鉄道模型のようだ。


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