──そもそも「企業買収における行動指針」を策定しようとしたきっかけは何だったのでしょうか。
実は企業買収をめぐる指針は2005年、07年、19年と作られてきたが、いずれも理屈や考え方を重視したものだった。しかし、実際に買収が起きるときどうすればいいかという実務的な行動指針が欲しいとの声が上がり、23年に「企業買収における行動指針」を策定したという経緯がある。
この行動指針はよく書けているとは思うが、とはいえ日本語で書き切るのはなかなか難しかった。というのも通常はこうだけどそうでないケースもあるし、業界や置かれた立場によっても見方や考え方が違うからだ。
そのため仕方がない面もあるが、大きく「3つの誤解」が生じていた。そこで今回、23年の行動指針は維持しながら、理解されていない趣旨や誤解を正すため、ポイントとQ&Aで補足しようということになった。
──3つの誤解とは具体的にどのようなものでしょう。
簡単に言えば、①複数の買収提案があったときは高値のほうを支持しなければならない、②企業価値には定性価値は含むことはできない、そして③ひとたび高値の買収提案を受けたらスタンド・アローン(現在の経営陣で経営を継続)は選択できないというものだ。
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