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「半導体ビジネスが異次元の成長を見せている。これまでの事業とまったく異なるスピードだ」(荏原の細田修吾社長)
ポンプ大手の荏原が快進撃を続けている。2021年度から5期連続で過去最高業績を更新し、この間に時価総額は2兆1500億円と約4倍に上昇した。30年度の目標に掲げていた「売上高1兆円」を、今26年度に達成する見込みだ。
同社の祖業はポンプだが、実質的な稼ぎ頭は半導体関連事業、特に半導体製造に欠かせないCMP(化学機械研磨)装置へと移り変わった。半導体ビジネスである「精密・電子」セグメントは、今や全社営業利益の半分を稼ぎ出す。世界的なAI(人工知能)ブームを背景に、CMP装置の需要は右肩上がりが続く。
CMP装置とは、ウェハーの表面を平坦に研磨する半導体製造装置である。ウェハーにわずかでも凹凸があると、回路に不具合が発生したり正確に積み上げることができなくなったりする。そのためスラリー(研磨剤)で磨き、高低差10〜20ナノメートルまで平坦にする工程が欠かせない。仮にウェハーを山手線の内側の広さまで拡大したとしても、地表全体の凹凸がわずか0.5mmにしかならないというレベルの精度だ。
このCMP装置の需要に対し、荏原は強気の姿勢だ。「市場の伸びとシェア拡大を見込み、市場全体の売上高成長率を上回る事業計画」と、精密・電子カンパニープレジデントの南部勇雄氏は意気込む。
荏原は「30年度にCMP装置で世界シェア1位と肩を並べる」と宣言している。あと3年余りで達成できるのだろうか。
雪辱の首位奪還
「悔しかった。アプライドマテリアルズの参入当初、彼らの戦い方は人材獲得も含めて強かった」。荏原の半導体事業で黎明期から携わってきた辻村学フェロー(元日本半導体製造装置協会会長)は、そう振り返る。
かつてCMP装置は、研磨により大量のパーティクル(ゴミやほこり)が発生するため、クリーンルームとは別室に隔離されることが多かった。このウェハーの研磨・洗浄・乾燥プロセスを装置内で一貫処理することで、1990年代に世界で初めてクリーンルーム内に設置できるCMP装置を実用化したのが荏原だった。

しかし95年にはアメリカのアプライドマテリアルズ(AMAT)が追随してシェアを逆転。現在もAMATがシェア5割を握り、荏原はシェア3割と後塵を拝する。荏原は技術で先行したものの、AMATは総合力を強みに顧客を囲い込んだ。
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