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ブシロードの創業オーナーである木谷高明氏(66)が9月29日、社長を退任し、代表権のある会長に就任した。新社長には、直近まで取締役でライブエンタメユニットのトップを務めてきた根本雄貴氏(32)が着任した。
同社は07年に設立。「ヴァイスシュヴァルツ」などの有力ブランドを擁するトレーディングカード事業を筆頭に、自社IP(知的財産)「BanG Dream!(バンドリ!)」などを活用したグッズ事業、ライブエンタメ事業、さらには新日本プロレスリングも傘下に抱え、エンタメ業界きってのコングロマリット企業として存在感を放ってきた。
ただ、19年の上場後はコロナ禍でライブエンタメ事業が苦戦を強いられ、直近でも赤字に陥ったスマホゲーム事業の立て直しに追われた。業績は拡大傾向にあるものの、利益の浮き沈みが激しく、26年前半には株価が上場来高値の半値程度に落ち込んでいた。
そんな中で26年6月、同社は保有する新日本プロレスの全株をテレビ朝日とサイバーエージェントに売却。さらには今回の木谷氏の社長退任と、抜本的な経営改革の機運が漂う。退任決定の舞台裏や近年の経営への反省、「パルワールド」トレカを軸とした成長戦略について、木谷氏を直撃した。
AI台頭「これ、体もたんでしょ」
――このタイミングで社長交代を決断した背景を教えてください。
具体的に考え始めたのは自分が65歳を迎えた昨年だ。世間で言えば定年に当たる。
もちろん創業者に定年はない。大学を出て入社したら、定年まで42〜43年あるでしょう。でも、僕がこの会社を作ったのは47歳のときだから、(世間の定年と同じように働いたら)90歳近くになってしまう。
世間で言えば定年の歳でも働かせてもらっていることに感謝しつつ、若い世代に少しずつポジションを譲っていくべきだと考えてきた。創業20周年を迎える27年を予定していたが、昨今のAIの急速な進化と世の中の変化の激しさを目の当たりにして、少し早いと思うくらいがちょうどいいと判断した。
――AIの台頭によって社長交代を1年前倒しした、と。
AIは「パワードスーツ」みたいなものだから、もともと身体能力が高い人が着たら、どんどん飛んでいってしまう。社内でもAIを使いこなす部署や人間が出てくる中で、じゃあヨレヨレの自分がそれを身につけられるかと言ったら、「これ、体もたんでしょ」と。
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