図書館もある。外観はパリ市庁舎、楕円形の閲覧室はフランス国立図書館のリシュリュー館がモデルだ。11万冊の蔵書は中国語と英語を中心に、日本語やフランス語、ロシア語など20言語に及ぶ。
棚に多いのは哲学書や図鑑、装丁の美しい本で、本業に直結しそうな理工学の専門書は少ない。選書は台湾の書店が担い、心理カウンセリングなどの専門書は別棟の地下に置く。運営するのは顧客との関係づくりを担う部署で、社員の勉強の場であると同時に、来客に見せるための図書館でもある。
欧州の街並みにした理由について同社は、中国以外の国籍の社員も多く、故郷を思い出せる環境で働けるようにするためだと説明する。中国では欧州風の街を建て、海外の拠点では逆に中国風の建物を建てるという。
建物の1つに入った。オーディオの応用研究所だ。内部の撮影は許可されなかったが、無響室では人工頭にイヤホンを装着し、周囲に並べたスピーカーで地下鉄や機内の騒音を再現して、通話の品質を測っていた。イヤホンの装着はロボットアームが受け持つ。人の手で着けると、毎回位置がずれて測定結果が安定しないためだ。
どの建物に入れるかは窓の色でわかる。色は機密レベルを表す。赤い窓の建物に入れるのは、権限を持つ社員だけだ。
街並みは古く見えても、構内の設備は自社のICT製品で固めている。社員はスマートフォンが構内のWi-Fiにつながれば出勤扱いになり、車で来れば門のナンバー認識が出勤を記録する。松山湖でも全社員の勤怠をこの仕組みで取り、天井のWi-Fiアクセスポイントは備品に付けたRFIDタグの位置管理も兼ねる。
売上高20兆円、4分の1を研究開発に
ファーウェイの25年の売上高は8809億元で、ホンダの年間売上収益(26年3月期で21兆8000億円)とほぼ同じ規模だ。純利益は680億元だった。26年上半期の売上高は4678億元で、前年同期から9.5%増えた。


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