しかしながらいざ走り出すと、思いのほか快適だったというのが第一印象。排気音はさほど吠えまくるわけではなく、舗装の荒れた道路でもサスペンションがよく動いて乗り心地は悪くない。
実際にそのエンジンは、厳しさを増す騒音規制への対策として特に排気系がリファインされて、音量が抑えられている。穏やかに感じられたのはそのせいだが、しかしこれは走り好きにとっても決して嘆かわしいことではない、と言っておきたい。
なぜなら背後からの炸裂音が抑えられた結果、粒の揃ったV8サウンドが以前よりも前面に出て、エンジンの回転上昇に合わせて快音を耳に届けてくれるようになったからだ。あるいは、それでも音量が……という方もいらっしゃるかもしれないが、大丈夫。スパイダーという存在は、そのためでもある。
640CVまでパワーアップしたV型8気筒ツインターボエンジン
V型8気筒3.9L・ツインターボエンジンは、今どきフェラーリでも珍しい、まったく電動化されていないピュア内燃機。エンジン内部の軽量化などによる高回転化で最高出力をローマの20CV増となる640CVまで高めている。
さすがに20CVの差を体感するのは難しいが、アップデートされたエンジンコントロールユニットのおかげでアクセル操作に対する反応がよりダイレクトになり、切れ味を増したのは誰もが実感できるはず。8速DCTの変速ぶりも完璧に躾けられていて、エンジンの旨味を余さず引き出している。


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