シャシーの出来映えにも感心させられた。日常域での快適な乗り心地はワインディングロードでは優れた接地性に繋がっていて、路面状況を問わず安心してステアリングを切り込み、アクセルを踏んで行ける。ハイパワーFRの醍醐味を不安なく楽しめるから、思わずペースが上がってしまったが、最新のフェラーリ車が続々採用している電動ブレーキシステム「ABS Evo.」が実現した短いストロークとカチッとした剛性感で効くブレーキは、減速すらも歓びに変えているという具合である。
ワインディングロードを存分に楽しんで、フェラーリがあえてギリシャの山側を試乗コースに選んだ意味が、よく理解できた。たしかにアマルフィ スパイダーは、日常域での走りも洗練度を高めているが、何よりスポーツカーとしてのピュアな歓びが一層研ぎ澄まされていのだ。
電動化が進む現代でもブレないフェラーリのスポーツカー像
ここのところフェラーリに関しては、初の電気自動車である「LUCE(ルーチェ)」が良くも悪くも大きな話題である。それについての論評はここでは置いておくが、ともかく感じたのは、こうしてスポーツカーメーカーとしてのブレない芯を持ち、しかもそれを磨き続けているからこそ、ルーチェのような挑戦もできるのだろうということである。
その意味で言えば“一応”エントリーに位置するアマルフィ スパイダーが、これだけ走りに振ってきたのは、そうしたブランドとしての矜持を改めて示すためだったのかもしれない……というのは考え過ぎか。いずれにしても“スポーツカー”フェラーリとしての充足度がこれまでになく高いのが、このアマルフィ スパイダーである。


※ログイン後、コメント入力が可能です。