カスタマーハラスメント(カスハラ)対策を企業に求める法律(改正労働施策総合推進法)が10月1日、施行された。被害に遭った従業員に対する相談体制の整備などが企業に義務付けられる。
土下座の様子がSNSで拡散
2025年4月、大阪・関西万博の警備員が来場者に土下座する様子がSNS上で拡散され、カスハラではないかと指摘された。これを受け、運営側はカスハラ対応の基本方針を発表したが、工事現場の交通誘導や雑踏での人の整理などを行う警備員の多くがカスハラに悩まされている。
警備員の業務には、空港などで所持品などの検査をする「空港保安警備」や、コインパーキングの売上金回収などを行う「貴重品運搬警備」などもあるが、警察庁によると請け負う警備業者が全体の約75%と最も多い業務は「交通誘導警備」。本稿ではこの交通誘導警備員のカスハラの実態を取材した。
交通誘導警備員は車や歩行者を誘導し、片側交互通行や通行止め、車線規制といった業務を行うことで、道路工事の現場や建築現場などで車や歩行者の通行の安全を図り、交通渋滞や交通事故の発生を未然に防ぐ。
この現場でたびたび起こるのが、足止めされた人の怒りが警備員に向かう事態だ。
「ドライバーや歩行者から暴言を吐かれることはよくあります」と話すのは、交通誘導警備員歴6カ月のAさん(20代)だ。
具体的には、交通誘導中に「早くしろ」「なんで止めるんだ」「合図が遅い」などと強い口調や大声で言われることが多く、それだけでなく、制止を無視して突破されてしまうこともあるという。
「通行止めしている最中に住民の車を通したところ、『さっきの車は通っていたじゃないか。なんで俺は通れないんだ』と20分ぐらい絡まれたこともありました」(Aさん)


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