「警備員の業務は、不特定多数が行き交う公共性の高い場所が中心。安全・安心を提供するために人と接触し、通行制限や安全確保といった指示をする。でも、それは対象となる人の行動を制限する場面が含まれるため、感情的な反発を受けやすい。そのうえ、警備員は警察官と違って法的な権限を持たず、あくまでもお願いベースなので、カスハラのターゲットになりやすい」
厚労省発表「カスハラの定義」
厚生労働省は今年9月、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル 令和8年度改訂版」を発表した。
それによると、カスハラの定義については、職場において行われる①顧客などの言動であって、②その雇用する労働者が従事する業務の性質、その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素をすべて満たすものとしている。
また「社会通念上許容される範囲を超えたもの」の典型例としては、不当な損害賠償要求▽精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要など)▽継続的、執拗な言動など9項目が挙がっている。当然ながら、冒頭で紹介したAさん、Bさんの話にあった「20分にわたって絡まれたケース」や「コートの弁償要求」も、これらに当たる可能性がある。

全国警備業協会は調査結果などを踏まえ、昨年3月、警備会社が従業員をカスハラから守るための基本方針を策定。加盟会員にカスハラの具体例をイラスト付きで知らせるリーフレットや業界向けのマニュアルを作成した。


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