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7兆円の機会損失も…日本で進む「交通空白」の深刻さ 奪われる"子どもの未来と保護者のキャリア" 解決に必要なことは?

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送迎
子どもの送迎は、家族の時間と自家用車に委ねられている(写真:Fast&Slow/PIXTA)
  • 船田 学 日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 都市・モビリティデザイングループ部長/プリンシパル

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夕方5時半。神奈川県に住む共働きの吉崎さん夫婦のスマートフォンに、「今日は塾の日だから、お迎えをお願いできる?」と通知が入った。小学4年生の娘は自分で塾へ向かうが、帰りは両親のどちらかが車で迎えに行くのがルーティンになっている。この日は父親が出張中。「塾が終わるのが19時。いそいで夕食を準備して迎えに行かないと」。娘はスイミングやピアノ教室にも通うが、路線バスもなくいずれも送迎が欠かせない。

同じころ、宮城県に住む小学5年生の男の子の父親、佐藤さんは、車に息子を乗せて15km離れた野球クラブへ向かっていた。10年前に小学校の野球部は廃止になり、地域のクラブに所属するようになった。野球選手になる息子の夢を応援したいと考えているが、練習後に利用できる路線バスは限られ、バス停から自宅までの道では熊の出没も心配だ。佐藤さんは練習が終わるまでの2時間、息子を待つのが習慣となった。

首都圏近郊でも地方でも、子どもの学びや夢を支える移動は、今日も家族の時間と自家用車に委ねられている。

送迎負担が保護者のキャリアを制約する

国土交通省では、こうした日常生活や観光の際に必要な地域公共交通が十分に確保されていない状態を「交通空白」と定義し、その解消に取り組んでいる。2026年7月には、交通空白によって生じる家族の送迎負担や外出の諦め等を経済損失として試算し、金子国土交通大臣に報告した。日本総合研究所もこの試算に協力しており、その結果は全国で年間約10.5兆円にものぼる。

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