子どもの移動手段を確保する対策としては、Uber Japanによる子どもだけでタクシーを利用できる「Uber Teens」、TOPPANによるタクシー相乗り型の子ども送迎サービス等がある。こうしたサービスが広がれば、保護者が毎回送迎できなくても、子どもが学校外の活動へ参加しやすくなる。
また、移動しなくても済む対策としては、自治体が民間の塾と連携して設置する公営塾がある。講師の人件費や会場代、教材費などを自治体が負担し、子どもが暮らす地域の近くに学習塾を整備する方法だ。
もっとも、人口密度や活動拠点までの距離、既存の交通手段などは地域によって異なり、一つの取り組みだけですべての課題を解決できるわけではない。子どもの移動手段の確保と、地域内に学びの場をつくる取り組みを、地域の実情に応じて組み合わせる必要がある。子どもの学びや体験を保護者の送迎だけに委ねることには限界があり、官民の様々な知恵やノウハウを全国へ広めていく必要がある。
交通を「人への投資」と捉え直す
子どもの送迎は、長らく家庭の責任として捉えられてきた。しかし、送迎を担う保護者の働き方や昇進などに制約があれば、キャリア形成にまで影響が及ぶ。保護者が送迎できないことで、子どもが塾や習い事、スポーツ、体験学習への参加を諦めれば、子どもの教育機会にも差が生じる。
こうした影響が積み重なれば、保護者の所得や地域の労働力、子どもの進学や就業の選択肢にも影響し、中長期的には地域間の格差につながる可能性がある。人口減少が進むなか、交通問題をインフラや技術の課題としてだけでなく、人への投資という視点から捉え直すことが求められている。


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