「姿勢が安定する」「集中して取り組める時間が少しずつ伸びていく」など。もちろん、こうした変化は一朝一夕で現れるものではありませんが、近年では、身体活動量が多い子どもほど、集中力や学習に向かう姿勢との関連が報告されています。
運動は、筋肉だけでなく脳にも働きかけ、「学ぶ準備」を整え、本来持っている力を発揮しやすい状態へ導いてくれる存在なのです。
だから私は、子どもの体力づくりを「運動能力を高めるため」だけではなく、「学び続ける力を育てるため」にも、とても大切なことだと思っています。
運動にはもう一つ大切な働きがあります。
脳は、ただ体を動かすだけでも良い影響を受けますが、「考えながら体を動かす」と、その効果はさらに高まることが分かってきました。
運動によって脳は「学びやすい状態」になります。では、その脳をさらに育てるには、どのような運動が効果的なのでしょうか。
考えながら体を動かすと、脳はもっと育つ
近年、子どもの脳の発達において特に注目されているのが、「考えながら体を動かすこと」です。例えば、鬼ごっこをしている子どもを思い浮かべてみてください。「相手はどちらへ逃げるだろう」「ここで方向を変えよう」「今なら捕まえられる」。子どもたちは、このような判断を一瞬のうちに繰り返しています。
また、ボール遊びでは転がってくるボールの動きを予測し、どこへ投げれば仲間が取りやすいかを考え、相手の動きを見ながら次の行動を決めています。縄跳びでは縄の回転に合わせてタイミングを調整し、アスレチックではどこへ足を置けば安全に進めるかを考えています。
一見すると遊んでいるだけに見えますが、その間、子どもの脳は休むことなく働いています。
脳科学では、このような力を「実行機能(Executive Function)」と呼びます。
実行機能とは、「考える」「判断する」「集中する」「我慢する」「切り替える」といった、自分の行動を目的に合わせてコントロールする力のことです。
学校で先生の話を最後まで聞くこと。問題を解く順番を考えること。気持ちを切り替えて次の活動へ移ること。これらはすべて実行機能が関わっています。


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