筆者には美容院での苦い思い出がある。
「くせ毛を活かしたい」と最初に伝えたのに、何度も「縮毛矯正はしないのか」と聞かれた挙句、最後にはブローでまっすぐにされた。くせで変に膨らみ、きのこ頭みたいになった。自分の髪を否定されたようで、とても悲しかったのを何年経った今でも鮮明に覚えている。
くせ毛は「すごい量ですね」「あなたの髪では写真のようにはなりません」などと言われ、トラウマを抱える人が少なくない。
“くせ毛を活かす”ヘアケアブランドで年商2.5億円
2022年、日本にはまだ浸透していなかった「くせ毛を活かす」ためのヘアケア商品「Curly Me(カーリーミー)」が誕生した。ブランドを立ち上げたのは、自身もくせ毛に悩みを抱え続けていたカーリーガールリンさんだ。カナダで育ち、大手広告代理店の電通で約10年働いた経験を持つ。
Curly Meのラインナップは、ヘアクリームやジェル、ムース、オイルなど「くせ毛を活かす」ための商品だ。くせ毛はなにもしないとぼさぼさに見えてしまうが、これらの製品を使って手入れすることできれいなカールができ上がる。
YouTubeやInstagramでインフルエンサーとしても活動するリンさんは、くせ毛の魅力を引き出す具体的な方法を発信している。その様子を見て、日本全国でくせ毛を楽しむ人の輪が広がっている。
「Curly Me」の2026年度の年商は2.5億円を超え、商品のシリーズ累計販売は27万個を突破した(2026年8月時点)。ブランド立ち上げからわずか4年での躍進だ。
会社員だったリンさんは、なぜ安定したキャリアを手放し、「くせ毛市場」というニッチな領域で成長できたのだろうか。


※ログイン後、コメント入力が可能です。