有料会員登録
ライフ

「美容院で1回8万円」「子どもの頃のあだ名は脇毛」カーリーガールが「くせ毛を活かす」ヘアケアブランドを立ち上げたワケ

8分で読める
スタイリングをする前の髪
いじめの対象にもなったカーリーヘア。リンさんは13歳から縮毛矯正をしていました(写真:リンさん提供)
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

加えて、リンさんがつくりたかったのはシリコーンやエタノールを使わないスタイリング剤だった。くせ毛の人は頭皮が乾燥しやすい場合があり、カーリーガールメソッドでは低刺激のシャンプーを使うことを推奨している。シリコーンは髪に堆積しやすく、アルコールは髪を乾燥させるため、くせ毛には避けたい成分だ。しかし、「日本にはこんな商品は存在しない」と断られることもあった。

「私は専門家じゃないので無理なお願いはできませんが、海外にそういう商品が実在してるから物理的に可能だと思っていました」

完成した商品には「シリコーンフリー・アルコールフリー・無香料」の文字が(写真:筆者撮影)

そこで、リンさんは海外の商品を100個ほど仕入れ、そこから約20個を厳選して成分や特徴を明記した。英語やポルトガル語をひとつずつ翻訳し、対応してくれる企業へ送る。

ほとんどの会社がフェードアウトしていくなかで、唯一取り組んでくれたのが、東大阪市にある小規模メーカーの「サレア化研」だった。リンさんの挑戦をおもしろがり、親身に話を聞いてくれた。送った海外製品をベースに、試作品を制作していく。

制作したサンプルの数は15個に及んだ

自分の髪だけではなく、さまざまな髪質の人に問題なく使ってもらえるような商品にしなければならない。そこで、フォロワー20人ほどに協力を募り、出来上がったサンプルを送ってフィードバックをもらうことにした。「これは使いやすい」「こっちはここがダメ」などの意見をもらうたびに何度もつくり直していく。結局、制作したサンプルの数は15個に及んだ。

OEM企業はサンプル制作の段階では料金を取らない場合がある。本当に商品化できるかわからないなか、サレア化研は形が出来上がるまで無料で対応し続けてくれた。担当者の小野寺一人(かずひと)さんは、短かった髪を伸ばして自分でも試してくれたという。

左側の男性2名がサレア化研の大城文稔社長(手前)と髪を伸ばした小野寺さん(奥)。スタッフの合宿に参加したときの様子(写真:リンさん提供)

リンさんは商品開発と並行して、SNSでの発信にも力を入れていた。使ってくれる人が増えなければ、商品ができても売れないからだ。この時点でのフォロワーは2000人程度。

本業で夜10時まで働き、帰宅後は深夜2時頃まで、そして土日すべてを使ってCurly Meの仕事をする日々が続いた。リンさんが本業で働きながらがんばれたのは、「ビジネスというより、困っている人に届けたい気持ちが強かった」からだと話す。

開発から約2年、ついにCurly Meの商品第1弾オリジナルスタイリングジェルが完成した。商品の完成後については、後編でお届けする。

後編はこちら:「くせ毛を活かす」ヘアケア商品→シリーズ累計27万個の大ヒット 電通を退職し、年商2.5億円まで急成長させた彼女の覚悟 

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数