資本金1000万円以上の企業でも利益は低下している。売上高は20年度の4064億円から25年度は4628億円へ13.8%増加した一方、純利益は減少し、純利益率は6.0%から4.9%に低下した。ただ、資本金1000万円未満でさらに利益率の低下幅が大きく、25年度は両者の利益率は1.7ポイントの差が生じている。
測量業は、人件費などのコスト負担に加え、人材の確保・育成や設備投資、新たな測量技術への対応も求められる。収益力が低下すれば、こうした将来に向けた投資に回せる余力は乏しくなる。特に、小規模企業は売上を確保しても利益を残しにくい状況が続き、事業承継や技術者不足への対応の足かせとなっている。
測量業者の減少が、直ちに測量機能の低下を意味するわけではない。業者数が減っても、業務の効率化などで必要な測量体制が維持されるならば、短絡的に問題とはいえないだろう。ただ、測量業は全国一律にサービスを供給する仕事ではなく、道路や河川、土地など、それぞれの地域の状況を把握しながら業務を行う。
特に、災害時は、いち早く被災現場に入り、復旧に必要な測量を始めることが求められる。実際、国土交通省の災害対応でも、応急対策を担う企業には早期対応が可能な地理的条件が求められており、地域に担い手が残っているかという視点が重要になる。
ただ、その担い手を維持するハードルが年々高くなっている。国土地理院が発表した「令和5年度測量業における測量士・測量士補に関する実態調査」では、従業員10人未満の企業が過半数を占め、測量士・測量士補は50歳代が最も多い。
5年前と比べても技術者の高齢化が進み、人手不足を理由に採用を行う企業が多いが、募集人数に対する応募者、採用者は圧倒的に少ない。ベテランが持つ技術や地域の知識を、次の世代へどう引き継ぐか業界共通の課題になっている。
技術の進歩で仕事内容が変化
さらに、測量の仕事そのものも技術の進歩で変わりつつある。人材の育成だけでなく、新しい機器や技術への投資が急務になっている。だが、資本金1000万円未満の低収益の企業は、売上高が増えても利益率は大きく低下しており、人材や設備への投資余力を確保できるかも課題となる。
災害対応やインフラの維持管理など地域に必要な測量機能を残しながら、技術者を育成し、蓄積された技術を次世代へ引き継ぐ。測量業界は、新たな測量技術にも対応できる体制をつくれるかが問われている。
長期にわたる業者数の減少が続くなか、高度経済成長期に造られて老朽化が進む橋、道路、トンネルなどのインフラは、今後20年から30年にわたり修繕や更新が見込まれる。さらに、大都市では再開発案件も相次ぐ。底堅い公共事業、民間需要の中で、地域の測量を持続的に担える企業・人材をどう育成していくか。測量業界は大きな課題に直面している。

