また、同じ研究グループによる別の研究では、ののしる言葉を繰り返すことで握力が約8%増加し、高強度のサイクリング課題ではパワー出力が4.5%向上するなど、パフォーマンスが上がったことが確認されています。
人間には理性があります。無意識のうちに社会的な良識や恐怖心によって自分の力にブレーキをかけ、抑制してしまっているのです。だから、他人を不快だと思っても、相手をののしることはしないし、相手に嫌われたくないという気持ちもあります。
ところが、人に向けずにののしる言葉を繰り返すと、心理的な抑制や、社会的に不適切な言葉を使ってはいけないといった躊躇が弱まり、気持ちが解放され、「やってやるぞ」という大胆な心理状態になります。これによって、本来もっている身体能力を発揮しやすくなる可能性があるのです。
たとえば、ウエイトリフティングの選手がバーベルを上げるとき、「ウォー!」と声を出しますよね。私たちも壁などに足の小指をぶつけたとき、思わず「いてっ!」と叫ぶと、痛みから注意がそれることがあります。こうした発声には、力を出しやすくしたり、痛みから注意をそらしたりする働きがあると考えられています。
罵倒語を使うことで、心の中にある社会的常識といった心理的抑制(ブレーキ)が弱まると、人にどう見られるかなどの社会的な体裁に気をとられなくなり、目の前の課題に没頭しやすくなります。
抑制が強いと「うまくできるか」と何度も考え続けてしまうこともありますが、抑制が弱まれば、そうしたタスクとは無関係な思考から注意をそらすことができ、一直線に目標へと気持ちを向けることができます。さらに、自己批判的な思考が減ることで、「やってやる」「自分ならできる」という自信に変わります。
こうして「没頭(フロー)」「注意のそらし(雑念の排除)」「自信」の3要素が高まるなかで、メンタル上の制限から解放され、パフォーマンスを最大限に発揮しやすい状態になるのです。
座りすぎの健康リスクを抑える「貧乏ゆすり」
貧乏ゆすりなど、手足をそわそわと動かす「小さな動き(フィジェッティング)」が、長時間座ることによる死亡リスクの上昇をやわらげる可能性があります。
イギリスの37~78歳の女性1万2778名を対象に行った、平均約12年間に及ぶ長期の追跡調査によると、フィジェッティングが少ない女性では、1日の合計座位時間が7時間以上の人は、5時間未満の人に比べて死亡リスクが30%高くなりました。


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