JR東日本の駅のうち、Suicaで乗り降りできるのは6割だ。JR東日本の路線でSuicaが使えるのは首都圏、仙台、新潟、青森、盛岡、秋田の6つの利用エリアの中だけで、エリアの外にある駅はもちろん、エリアの間をまたぐ乗車にも使えない。
この状態が2027年春から変わり始める。まず6つのエリアが1つになる。さらにJR東日本は9月8日、全駅でSuicaを使えるようにする時期を2030年代中頃から2030年代初めに前倒しすると発表した。
残る4割の駅には、改札機を置かずにSuicaを使えるようにする。どちらも、駅ごとに置いた改札機に持たせてきた仕事を減らすことで実現する。
改札機が1台でこなしている仕事
自動改札機は駅ごとに据え付けられた鉄道専用の機械で、1台がいくつもの仕事をこなしている。きっぷやカードを読み取り、運賃を計算して通してよいかを判定し、扉を開閉し、カードに乗車記録を書き込む。仕事の一つひとつが、改札機を費用のかかる鉄道固有の機械にし、変更を難しくしてきた。
Suicaのエリアが6つに分かれてきた原因は、このうち運賃計算にある。従来のSuicaは、乗った駅と降りた駅の組み合わせごとの運賃を改札機の中で計算し、タッチしてから扉を開くまでの短い時間に終えなければならない。エリアを広げるほど駅の組み合わせが増えて計算が重くなり、改札機の処理能力ではエリアの広さに限度があった。
その結果、現状ではエリアをまたぐ区間で、Suicaを改札にタッチするだけで乗ることはできない。定期券も同じだ。たとえば仙台から常磐線で湯本(福島県いわき市)へ向かう場合、途中で仙台エリアから首都圏エリアに入るので、きっぷを買わなければならない。


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