ご飯もそこそこにアイスを楽しむ娘。周りを見れば、異なる味のハーゲンダッツを3つずつ手に積んで席に戻ってくるカップルが、すべて封をあけて一口ずつ食べ比べしている。8人ほどのグループは饅頭や餃子、焼売を分け合い、ビール片手のふたり組は枝豆と餃子でつまみタイムだ。ちなみに冷たい飲み物は別料金で、ソフトドリンク200円、アルコール500円。
「すぐカフェ」は、コーヒーやラテ、紅茶、緑茶など、お湯で溶いて飲むホット飲料が飲み放題のコーナーだ。すぐカフェで淹れたコーヒーとハーゲンダッツ。もうこれだけで、夢の国だ。普段はアイスを食べすぎるなと注意する子どもにも、ここでは食べられるだけ食べなさいと声をかける。むしろ、応援する。
バニラアイスに熱々コーヒーをかけて、アフォガードも作れる。90分でやりたいこと、食べたいものへの欲望ばかりが先走り、お腹は置き去りだ。
もう3秒では素通りできない
ごはんをしっかり食べるつもりで来た私と、ごはんはいつものお気に入りを食べて、あとは贅沢アイスでお腹を満たす娘。アイスを頬張りながら、すぐカフェのはちみつレモンティー2杯目を満足気にすすっていた。確かにそういう楽しみ方もありだと、娘から学んだ。
食べるぞーと意気込んでいた母は、娘が残した分も食べて、腹十二分目まで膨れた。正直、90分2500円で元が取れたかといえば、トントンくらいかもしれない。それでも、手に取ることも見ることもなかった多様な商品を知ったいま、家ごはんの選択肢は確実に広がった。冷凍食品200種類の向こう側には、それ以上の収穫が私にはあった。スーパーの冷凍食品の棚は、もう3秒では素通りできそうにない。
日本アクセスによると、2025年度の冷凍食品市場は約1兆3600億円で過去最高だという。冷凍食品はどこか「手抜き」のニュアンスで見られることも多かったが、いつの間にかそのイメージだけでは語れないほど進化していた。
一方で、筆者自身が冷凍食品を積極的に見てこなかったのには理由がある。冷凍食品=手抜きという罪悪感があったのだ。後編では、そのことを冷凍食品ジャーナリストの山本純子さんに聞いた。
後編はこちら→→→「夕飯が冷凍食品なら外で食べてくる」夫の一言で夫婦喧嘩…なぜ私たちは《冷凍食品=手抜き》と思ってしまうのか


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