もう一つ興味深かったのが、参考書の使い方です。
同じく東大生149人に、「1冊の参考書をボロボロになるまで繰り返すスタイルと、多くの参考書を広くこなすスタイルのどちらに近いか」と尋ねたところ、結果は次のようになりました。
「1冊を完璧に繰り返す」「どちらかといえば1冊を重視する」と答えた人は、合わせて112人。全体の75%でした。
一方、「どちらかといえば多くの参考書を網羅する」「多くの参考書を広くこなす」と答えた人は、37人、25%にとどまりました。
つまり、東大生の約4人に3人は、「新しい参考書へ次々に移る」よりも、「決めた1冊を繰り返す」勉強を重視していたことになります。
東大生の75%は、「1冊を繰り返す」タイプ
自由記述には、こんなコメントがありました。
「別々のデータベースとして認識してしまうと、頭の中がより乱雑になっていく」
「いろいろ手を出して、どれも身に付かないのが一番最悪だから」
新しい参考書を買うと、不思議と勉強したくなります。きれいな表紙を見て、「この本なら成績が上がるかもしれない」と期待する。書店で参考書を選んでいる時間は楽しいですし、買った直後には、自分が少し成長したような気さえします。
しかし、本当に学力が伸びるのは、そのあとです。
1周目ではわからなかった部分が、2周目でつながる。3周目になると、自分の苦手な箇所が見えてくる。4周目では、問題を見た瞬間に解法の方針が浮かぶようになる。
同じ本を読んでいても、自分の理解度が変われば、見えるものは変わります。東大生は「同じものを繰り返すこと」を単純作業だとは捉えていません。繰り返すたびに、自分の理解が深くなることを知っているのです。
もちろん、複数の参考書を使うこと自体が悪いわけではありません。「同じ本だと飽きるので、複数をローテーションした」「それぞれの参考書の得意分野を使い分けた」という東大生もいました。
問題なのは、目的があって本を使い分けることではなく、一冊の中で難しい部分にぶつかるたびに、新しい本へ逃げてしまうことです。
これは、問題が解けないとすぐに答えを見る行動とよく似ています。「わからない」「進まない」「飽きた」という不快感から、一刻も早く離れようとしてしまうのです。


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