仮眠を取りづらい理由の1位も「サボっていると思われそう」(53.2%)で、社内制度がないことを上回った。自分は人の目を気にするが、他人の仮眠は気にしない。白書は、本人の不安が実際以上に大きくなっている可能性を指摘する。
期待そのものは高い。89.4%が短時間の仮眠は仕事に良い影響を与えると答え、企業は休息環境への投資を増やすべきだという回答も87.9%に上った。
トヨタ自動車の金子敬氏(TOTONEプロジェクトオーナー)は、この認知のズレが知られること自体が普及の追い風になると見る。仮眠しても怒られず、皆が価値を感じているとわかれば、共感が連鎖して一気に広まる可能性があるためだ。白書を作った理由を問われると「正直、もっと早く作ればよかった。必要性に駆られて作った」と答えた。その上で、仮眠事業への挑戦を「文化を作るという、すごくハードルが高いものにタックルするには、本当にふさわしいテーマなんじゃないか」と表現した。
眠らせない技術から、眠らせる技術へ
金子氏によると、TOTONEの出発点は居眠り運転の問題にある。自動ブレーキや車線逸脱防止といった従来の技術は、眠くなった運転者を事故から守る発想で作られてきた。TOTONEはそれを裏返し、夜にまとまった睡眠を取れない人が日中にしっかり眠れる道具を目指した。
シートは高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」の上級シートがベースで、部品の大半は自動車用の転用だ。素材だけは仮眠用に変え、頭上を覆うフロント部分には安心感を出すため木を使った。
15分の仮眠は入眠12分と目覚め3分で構成する。音楽と光に加え、シートが背中を押し上げるストレッチ機構で起こす。長く眠りすぎると起床後にかえって頭が重くなるため、覚醒までを短時間に収める設計だ。


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