8月13日から14日にかけて千葉県を襲った豪雨(令和8年8月千葉豪雨)は、5月に運用が始まった新たな防災気象情報で、5段階の警戒レベルの最上位であるレベル5(大雨特別警報)が初めて出されたことに納得する、想像以上の大雨だった。
その影響を大きく受けたのがクルマで、千葉市だけでも2700台以上の車両が動かなくなり、県内では浸水した車内に取り残されるなどして4人が亡くなった。千葉豪雨による死者は13人なので、およそ3割が「車中死」したことになる。
かなりの比率であるが、例外的というほどでもない。2019年、東日本各地に大規模な浸水被害をもたらした台風19号(令和元年東日本台風)でも、死者の約3割が車中死だったからだ。
一方、同じ8月の下旬に富山県と石川県、さらに福井県を襲った豪雨では、千葉県と同じレベル5が発令されたにもかかわらず、現時点で死者は出ていない。直前の千葉豪雨が教訓になったのかもしれない。
ところで千葉豪雨以降、NHKでは大雨のときに「クルマでの移動は控えてください」というメッセージを出すようになった。
クルマ好きのひとりである筆者も、自分が住む東京都の近くでの豪雨報道ということで、自分ごととして考えるようになった。そこで豪雨から2週間後の千葉県の状況を取材し、記事にすることにした。
クルマはなぜ水の中で動かなくなるか?
今回の惨事で痛感したのは、多くの人が「冠水道路の危険性」を知らないのではないかということだ。クルマで冠水した道路を走ると、動かなくなる恐れがある。
クルマが水の中で動かなくなる原因は、大きく分けると、パワーユニットに水が侵入してくる場合と、電気系がショートしたりする場合の2つがある。


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