2.「常温保存」が通用しなくなる
熱帯夜の日数は、100年当たり約21日のペースで増えている。直近30年の平均は年間約26日で、統計開始当初の2倍を超えた。厚生労働省の食品添加物公定書(食品添加物の成分規格や製造・使用に関する規格・基準をまとめた書物)では、「常温」は15〜25℃とされる。しかし、今の日本の夏は、この温度帯が長く続かない。
住宅の高気密・高断熱化も影響する。かつては床下や北側の納戸が「冷暗所」として機能したが、現在の住宅では室内全体が暖まりやすく、野菜の保管場所として使いにくいケースが増えている。とくに注意したいのが、暦の上では秋になる9月以降だ。消費者は秋野菜を従来どおり常温で保存しがちだが、室温はまだ高い。気づかないうちに傷ませ、捨ててしまうリスクが高まる。
3.ブランドと旬が変わる
コシヒカリの品質低下、氷見寒ブリの「ひみ寒ぶり宣言」見送り、産地や旬のずれ――。
食卓の変化は、価格だけではない。「何月になれば、どこの産地の何が食べられる」という季節の感覚そのものが、静かに書き換えられつつある。
消費者ができる、3つの備え
気候変動への適応は、生産者や企業だけで完結しない。日々の買い物も、産地と食卓を守る選択になる。
1.暑さに強い新品種を選ぶ
コメでは、高温でも白未熟粒が出にくい品種が実用化されている。代表例は「にじのきらめき」や、富山県の「富富富(ふふふ)」だ。食味や収量を確保しながら、高温に耐えやすい特徴を持つ。ただ、食品はブランドの乗り換えが起きにくい。消費者が慣れた銘柄だけを選び続ければ、生産者も新しい品種へ切り替えにくい。
新品種を試すことは、新しい味との出会いであり、産地の挑戦を支える「応援消費」でもある。ふるさと納税を使えば、店頭では見かけにくい品種や産地の農産物も試しやすいのでおすすめだ。


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