23年には、北海道産のポテトチップス用ジャガイモで問題が起きた。収穫時の高い品温とコンテナ内の蒸れにより、軟腐病菌(野菜を軟らかく腐敗させる細菌)が増殖。市場に届いた時点で、ジャガイモが溶けたような状態になっている事例が相次いだ。
従来の物流は、「北海道は夏でも冷涼」という前提で組み立てられていた。しかし、産地でも本州並みの高温が続けば、その前提は崩れる。
さらに物流業界では、ドライバー不足を背景に中継輸送や混載輸送が増えている。中継輸送とは、荷物を途中の拠点で別の車両・ドライバーに引き継ぐ方式だ。混載輸送は、複数の荷主の荷物を同じ車両で運ぶことを指す。いずれも効率化には役立つが、生鮮品にとっては輸送時間が延びやすい。高温化と輸送時間の長期化。この二重の負荷によって、生鮮品は以前より傷みやすい状態で家庭に届くようになっている。
食卓で起きる3つの変化
こうした影響は、すでに日々の買い物に表れている。
1.食費が上がる
帝国データバンクによると、「カレーライス物価」は25年11月時点で1食当たり平均365円となり、過去最高を更新した。20年平均を100とした指数では142.6。5年間で約1.4倍に上昇した計算だ。米価の高騰に加え、猛暑・少雨によるタマネギ、ジャガイモ、ニンジンの不作、円安による輸入食肉価格の上昇が重なった。25年の年間平均は349円で、10年前より約4割高い。
気温上昇がプラス2℃に近づく2040年代には、こうした不作が「例外」ではなくなる可能性がある。筆者の独自の試算では、カレーライス1皿500円前後が日常となり、複数産地の被害が重なる年には700円台に達する可能性もうかがえている。
一般的に、外食やコンビニエンスストアのカレーライスの売価は自宅で作るものと比べて2倍弱になると言われている。これを踏まえると、40年には、コンビニエンスストアのカレーライスが1皿1400円になる可能性も考えられる。


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