次期学習指導要領の改訂にあたって「多様性の包摂」が柱として挙げられています。包摂とは、あるものを全体の中に含み取り込み、排除せずにまとめ上げること。この言葉が国の教育の根幹を成す学習指導要領に示されることに大きな意味があります。現行の学習指導要領で掲げられたものの理解が広がらなかった「インクルーシブ教育」が、大きく前進する可能性があるからです。
しかし、こうした国の方針が示される一方で、実際の教育現場は今、深刻な限界を迎えています。
学校は悲鳴を上げている
私は、19年間にわたり、公立中学校で発達障害・情緒障害通級指導教室を担当していました。今年4月からは医療機関に移り、医療教育コーディネーター(※)と共に、医師から指示があったケースの学校訪問等を行う形で、学校や子どもたちと関わっています。
※医療機関に勤務する学校管理職経験者等が、来院する子どもの発達上・学校生活上の課題について、学校・保護者・医療機関の三者の連携を支援する専門職。
働く場所が学校からクリニックに変わり、改めて見えてきたのは、学校現場の疲弊や限界、子どもたちのSOSでした。
特に6月は学校訪問の依頼が大変多かったように思います。GWが明け、梅雨の時期になり、子どもたちも蓄えていたエネルギーが枯渇し、登校渋りや集団不適応が爆発的に増える時期でもあります。子どもたちは教室から飛び出し、自分に合わない環境で学ぶことを恐れているようにも見えました。


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