特別支援教育を担当する先生方も新しく着任される方が多く、どうしたらよいかわからないという悲鳴にも似た数々のSOSのほか、「とにかく人手が足りない。専門的に指導できる人材が少ない」という管理職の先生方からのご相談も多くありました。精神的にも物理的にも余裕のない学校現場は、すでに限界に来ていると感じました。
子どもたちの学び方は多様ですが、通常の学級では、30~40人を超える人数を1人の先生が教えるという「一斉指導」のスタイルが主流です。その結果、先生方は疲弊し、一斉指導が難しい子どもたちは教室の外に飛び出していきます。そして、教室から飛び出してしまった子どもたちを受け入れ、その子に合った勉強を教える場所や先生というリソースが学校内にほとんどないのです。
19年前に「多様性の包摂」実現した公立中学校
では、どうすれば「多様性の包摂」は可能となるのでしょうか。実は、すでに先行事例があります。私が19年間在籍していた埼玉県熊谷市立富士見中学校の取り組みです。2007年度からの3年間、同校では文部科学省の研究開発学校の指定を受け、「発達障害を含む障害のある生徒や学校生活に不適応を示す生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育課程の編成及び指導の在り方に関する実践的な研究開発」をテーマに掲げ、研究を進めました。
具体的には、当時話題となっていた「特別支援教育構想」の実践・検証です。合言葉は「みんなが資源、みんなで支援」。在籍するすべての生徒は通常の学級に在籍し、生徒のニーズに応じて、「特別支援教室」(図参照)等の校内リソースを使うという試みでした。



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