車を買う時、私たちはカーディーラーへ行き、どの車種にするか選ぶ。その際、色は何色にするか、どんなオプションを付けるか、といったことを決めて契約するはずだ。昨今のヨーロッパの鉄道車両はこれに近い。
架線電圧や信号装置は各国で異なるが、これは車で言うところの「オプション選択」のようなもので、現在ヨーロッパで販売されている車両のほとんどは、各国の電圧や信号システムに対応できる設計となっている。
ベースとなる車両は同じなので、色の違いだけで車体のデザインなどはすべて共通となる。当然、同じ形の車両をヨーロッパ各国で見かけることになる。基本となる車体規格がほぼ同じだからこそ可能、というわけだ。
欧州各国で「ベストセラー」の車両は?
このレディメイド車両、それこそ自動車と同じように、大成功を収めて大量生産されたものもあれば、人気がなくひっそりと消えていった車両もある。どんな車種があるのだろうか。
機関車では、ドイツのシーメンスが開発した汎用型機関車「ヴェクトロン」が圧倒的な人気を誇り、他社製品を圧倒している。ヴェクトロンは、欧州4つの電化方式すべてに対応しているのはもちろん、連続定格出力6400kW、最高時速200kmというハイスペックで、高速旅客用から貨物用まであらゆる役割をこなす万能機として、各国で導入されている。
派生型として、出力を落とした廉価仕様の「スマートロン」や、ディーゼルエンジンを搭載したバイモード仕様、最高時速を230kmに向上させた超高速仕様なども誕生している。デビューから現在までに、注文数は2000両に達している。

