同様の傾向は、他の最新研究でも報告されています。
高齢者を対象とした海南科技職業大学のフェンらの研究では、HbA1cが0.51%低下し、空腹時血糖値においても有意な低下が確認されました。
また、メタボリックシンドロームの指標を調査した上海体育学院のハンらの研究でも、筋トレによって空腹時血糖値が約7mg/dL低下するという、ワンらの研究と整合性のある結果が得られています。
これらの知見を総合すると、年齢や性別にかかわらず、筋トレは血糖値の改善に寄与する可能性が高いと考えられます。これが、現代のスポーツ科学が示す有力な見解なのです。
インスリンが効きやすい身体へ変わる
なぜ、筋トレをするだけで血糖値が下がるのでしょうか。そのカギを握るのがインスリンの働きです。
インスリンは、血液中の糖分を筋肉などの細胞に取り込ませ、血糖値を下げる唯一のホルモンです。しかし、2型糖尿病や肥満の方の多くは、このインスリンが効きにくい状態(抵抗性)になっています。
ワンらの研究では、筋トレによってこのインスリンの効きが良くなり、少ないインスリンでも効率良く血糖値を下げられる「燃費の良い身体」に変わることが確認されています。
そのメカニズムとして、ハンらはGLUT4(グルコーストランスポーター4)というタンパク質の増加を挙げています。これは、筋肉にある「糖を取り込む扉」のようなものです。筋トレをすると、この扉の数が増え、インスリンの助けを借りずとも、筋肉が自ら血液中の糖をぐんぐんと取り込んでくれるようになります。


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