自分の体内リズムを知り、それを尊重しながら生活を工夫すること。それが、睡眠の質を高め、日中のパフォーマンスを引き出し、結果として健康を守ることにつながります。
若者が夜更かしをするのは、怠けているからではありません。まずは、「体内時計の個性」という視点を持つことが、より良い睡眠と暮らしへの第一歩なのです。
クロノタイプは年齢と性別で変わる
ここまで、クロノタイプは生まれつきの体内時計のタイプだと説明してきましたが、実はそれだけではありません。
クロノタイプは、一生同じではなく、年齢や性別によって変化することが分かっています。MCTQを用いた大規模調査は、そのことを非常に明確に示しています(図27)。
まず、年齢による変化です。ヒトのクロノタイプは、子どものころは比較的「朝型」に近く、思春期に入ると急速に「夜型」へとシフトします。とくに10代後半から20歳前後にかけて、夜型傾向はピークを迎えます。この時期、「夜更かしをする若者」が増えるのは、生活態度の問題というより、体内時計の自然な変化なのです。
ところが、その後はどうでしょうか。20代後半から30代にかけて、クロノタイプは少しずつ前に戻り始め、年齢を重ねるにつれて、再び朝型へと近づいていきます。
「昔は夜更かしできたのに、最近は早く眠くなる」
多くの人が実感するこの変化は、気のせいではなく、体内時計の年齢変化そのものです。


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