有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス

「俺は生かされているだけ」障害者の一言から生まれた石けん工房が、半世紀《福祉事業所ではなく、企業》であり続ける理由

18分で読める
「ねば塾」作業場
10年間毎日ほぼ寝ていたという男性従業員(写真中央)は、自分のペースで「白雪の詩」を袋詰めする作業を続けている(写真:筆者撮影)

INDEX

「みっちゃん、俺ラベル貼り嫌だから、別のやりたいんだけどさ〜」

長野県佐久市にある石けん工房「ねば塾」の敷地に入ると、社長の笠原道智(かさはらみちとも)さんに、親しげに話しかけている人物がいた。ねば塾で25年働く茂木智史さんだ。

ねば塾は、代表的な商品である「白雪の詩」が2006年、アットコスメのベストコスメ大賞・洗顔料部門で殿堂入り。今でも、月に3万5000個を出荷する石けん工房だ。人気ナチュラルコスメブランド「OSAJI」のOEM製造を請け負うことからも、品質の高さがうかがい知れる。

従業員の半数が障害のある職場

前編で紹介したとおり、「塾生」と呼ばれるねば塾の従業員たちは、その半分ほどが隣のグループホームで暮らす人たちで、茂木さんもその一人。ねば塾の敷地内にある実家で生まれ育った笠原さんにとって、グループホームで暮らす従業員たちは、“いとこのおにいちゃん”のような存在だという。茂木さんが道智さんを「みっちゃん」と呼んでいたのはそのためだ。

現在33名いるねば塾の従業員のうち、14名が障害者手帳を持っている。1名が身体障害者で、それ以外は知的障害と精神障害だ。さらに、社会的な場面で言葉が出なくなる「場面緘黙(ばめんかんもく)」など、手帳を持っていない人を含めれば、全体の6〜7割がなんらかの働きづらさを抱えている人だという。

看板商品「白雪の詩」を袋詰めするねば塾の皆さん。取材した午後の時間には、疲れて手を止めている人の姿もあった(写真:筆者撮影)
【写真を見る】「俺は生かされているだけ」障害者の一言から生まれた石けん工房が、半世紀《福祉事業所ではなく、企業》であり続ける理由(56枚)
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES
5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数