一方で、彼らの働き方は、極めてドメスティックで、体育会系でした。根底には「終身雇用・年功序列」への強い信頼があり、企業への忠誠心は抜群。いわゆる「企業戦士」としての意識が高く、長時間労働やサービス残業はもちろん、深夜まで及ぶ接待、週末のゴルフなども、まったく厭わないタフさがありました。社内外のつき合いが異常なほど多かったため、結果としてコミュニケーション能力や「人脈構築力」に長けているのも特徴です。
「24時間戦えますか?」──高らかにビジネスパーソン(CMソングの歌詞は「ビジネスマン」)の仕事愛を煽った栄養ドリンク「リゲイン」のCMが大ヒットしたのは、まさにこの頃。一方で、仕事そっちのけで「5時から男」として飲み歩くサラリーマンも持てはやされました。
のちに大ヒットするドラマ『半沢直樹』シリーズの原作小説、池井戸潤さん(1963年生まれ)の『オレたちバブル入行組』シリーズを読めば、彼らがどれほど濃密で、良くも悪くも「根性論」が色濃い組織のなかで戦ってきたかが、とてもよくわかります。
しかし、栄華は長く続きません。1990年代初頭にバブルが崩壊すると、企業は一転して新卒採用を極端に絞り込み、暗黒の「就職氷河期」が到来します。この氷河期とまともにバッティングし、その後のキャリアで長く不遇をかこつことになった「団塊ジュニア世代」が、逃げ切ったバブル世代を恨みがましい目で見るのは、ある意味で仕方のない構造といえるでしょう。
とはいえ、バブル世代自身も、好景気のトップスピードで社会に飛び出したからこそ、その後の長い低成長期でギャップに直面し、ハシゴを外されたような苦しみを味わうことにもなりました。
「均等法第一世代」の光と影、そして消費の主役へ
バブル世代の女性たちは、新人類世代の女性とともに、日本のジェンダー史において、「男女雇用機会均等法」の第一世代という極めて重要な側面を持っています。すなわち、女性の生き方がガラリと変わった、リトマス試験紙のような世代なのです。
採用や昇進、定年における男女差別を禁止した同法が施行されたのは、1986年。それまで、4年制大学を卒業しても一般職(事務補助など)での雇用がほとんどだった女性たちが、大企業の「総合職」として、男性と同じ土俵でキャリアを築き始めました。


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