8月8日、トヨタ自動車の社長・会長を歴任した奥田碩氏が93歳で逝去した。同氏が社長時代に強いリーダーシップで世に送り出した世界初の量産ハイブリッド車(HV)「プリウス」の誕生から四半世紀余り。かつて「エコカーの先駆け」だったHVは今、激動のグローバル市場において、トヨタの屋台骨をかつてないほど強固に支える大黒柱となっている。
トヨタは同4日に発表した2027年3月期第1四半期決算(国際会計基準)に合わせて、早くも通期の見通しを上方修正した。 売上高にあたる営業収益は51兆円(前期比0.6%増)から54兆円(同6.5%増)、営業利益は3兆円(前期比20.3%減)から3兆4000億円(同9.7%減)に引き上げた。増収の一方で減益となる構図には変化がなかったが、営業利益率も期初時点の5.9%から6.3%まで改善する見通しだ。
上方修正の最大の要因は、期初の想定を上回る円安進行だ。1ドル=160円へと為替前提を見直したことで、営業利益には4800億円の押し上げ効果が見込まれる。

しかし、真の牽引役は為替のほかにも存在する。地域別の営業利益を見ると、北米市場が伸びている。「カムリ」や「RAV4」などのHVが好調に推移しているからだ。アメリカのトランプ大統領の関税政策などの不透明感がある中でも、円安の追い風も手伝い、北米事業は赤字だった前年同期から1889億円もの損益改善を達成した。
「マイナスの地域はあるが、予想を超えてプラスのところがしっかりサポートしてくれている。地域ポートフォリオの効果が出ている」(東崇徳経理本部長)
サプライチェーンを襲った危機
ただ、決して順風満帆なスタートだったわけではない。
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