INDEX
「せっかく会社を『卒業』したんだから、今までやってこなかったことを試してみたい」――などと柄にもないことを考えて、4月から大阪経済大学の客員教授を引き受けて、春季授業を担当させてもらった。経済学部特殊講義「貿易と日本経済」は、大阪への合計15回の「新幹線通勤」を経て、7月末にようやく学期末の試験を終えたところである。
「貿易と日本経済」をテーマに、1985年の「プラザ合意」などを教えてみた
いや、しみじみよくわかった。大学の先生というのは大変な仕事なのだ。当初は「な~に、授業のネタを15回分作ればいいんだろう?」くらいに軽く考えていたのだが、いきなり「シラバスを作れ」と言われて面食らい、次に大教室を一杯にする大勢の学生に圧倒された。「試験問題を作れ」という作業に悩み、最後は「全員の答案を採点して、成績を付けよ」という責任の重さに痺れた。しかも、この夏はまだ追試の学生さんたちの分が残っている。いやはや、若い人たちに本気で向き合うのは、つくづく大変なことなのである。
その一方、今の2000年代生まれの学生(含む留学生)さんたちと接することは、新たな発見が多く、意義深い仕事であった。やっぱり、やってみてよかった。いつものことながら、「教えることは学ぶこと」なのである。
テーマが「貿易と日本経済」であるから、拙著『1985年』(新潮新書)を教材に使って、同年の「プラザ合意」の話などをするのである。しかるに今の学生さんたちは、高校の授業で「プラザ合意」をすでに学習済みなのだ。おそらくはこんな内容である。


※ログイン後、コメント入力が可能です。