かくして日米協調介入が行われ、一時は154円まで円高が進んだものの、その後は159円台となって、いわゆる「半値戻し」となっている。しばし方向感のない状態となっているが、またも160円台に舞い戻ることになってしまいそうに思える。
そもそも為替は、最後はファンダメンタルズ(経済の基礎的な条件)で決まるものである。物価や金利、通貨の需給や経常収支、さらには投機筋の思惑や地政学リスクなどにも左右される。特に重要なのは、ときの政策がどちらの方向を向いているか、である。
「日米通貨同盟」が負け組になってしまう可能性も無視できない
今回の円安是正においては、何といっても日本のマクロ政策が完全に「逆方向」である点が気がかりである。現在の高市内閣は「財政政策は緩め」で来春からの食品消費税の減税に踏み切り、「金融政策も緩め」で日銀の審議委員にリフレ派を送り込んでいる。これで通貨が強くなる道理がない。いわば「サナエノミクスこそが最大の円安要因」である。それを人為的な介入効果だけで止める、というのは無理な相談であろう。
日米の一体化が進んでいることの是非も悩ましいところがある。前述通り、世界のマネーが「ドル離れ」を志向する中にあって、日本は安全保障でも経済でも、果てはAIや半導体などの産業政策でも「アメリカと一体化」路線を続けている。円を対ドルで安定させることができたとしても、ドル円がともに他通貨に対して下落が止まらなくなったらどうしよう。 つまり「日米通貨同盟」がともに負け組になってしまう可能性だって無視できない。
当面の注目点は、日米の金融政策ということになる。ともに9月の金融政策決定会合に向けて、経済データを見ながら利上げのタイミングを探っていくことになるだろう。ただし日米ともに、金融政策は政治との間合いが悩ましい。加えてこの秋は、外交や選挙の日程も複雑に絡んでくることになりそうだ(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。


※ログイン後、コメント入力が可能です。