シーインは09年に中国出身の起業家、許仰天(クリス・シュー)氏によって設立され、12年に低価格の女性向けアパレル販売企業として米国市場に参入した。許氏は持ち株会社のApex Sight Holdings Limitedを通じて33%の株式を保有している。現在は世界160以上の国と地域で事業を展開し、25年にはアクティブな購買者が2億7300万人に達した。25年のアパレル・フットウェアの小売売上高では、SHEINは世界最大のオンラインファッションプラットフォームとなっている。
しかし近年は欧米で逆風が吹いている。目論見書では、25年5月以降にアメリカで少額輸入品免税制度が廃止されたことが、同国での売り上げに悪影響を与えたと説明。また、26年7月から欧州でも同制度が廃止され、業績に重大な悪影響を与える可能性があると指摘している。
フランスなどファストファッションへの風当たり強く
ヨーロッパでは、シーインは厳しい規制に直面している。25年11月初旬には、シーインがフランスで児童の形を模した成人用玩具人形を販売している疑いが報じられ、フランス政府・税関は一連の規制措置を導入した。26年6月にはフランスの消費者保護当局が、返品・交換制度、製品情報開示、注文確認などの違反行為により、SHEINに対し合計約2249万ユーロの罰金を科した。
さらにフランス上院は6月29日、シーインのほか、中国のクロスボーダーEC企業であるTemu(テム)やアリエクスプレスを直接標的にする法案を可決した。安価なファストファッションによる国内産業への打撃を緩和するため、繊維製品の大規模生産企業に対して単品ごとに「環境拠出金」を課すとともに、ファストファッションブランドの広告掲載を禁止するといった内容だ。
こうした反ファストファッションの雰囲気の中でシーインは世界で初めての実店舗が入居していたフランスの百貨店との提携を解消、25年に開店したばかりのパリの店舗は年内に閉鎖する予定だ。海外市場での経営環境が悪化するなか、シーインが上場後、かつてのような成長力を取り戻せるかどうかに注目が集まる。
(財新記者:包雲紅)
※中国語原文の配信は7月26日

