海外は、路上でお酒を飲めない国も多いですよね。彼らからすると、路上だけじゃなく屋台でお酒を飲んでいる風景というのが、かなりアメージングな印象を受けるみたいです」
TWILLOの営業は、午後9~10時くらいに始まり、夜更け近くまで。立ち飲みなだけあって、お客さんの回転自体は速い。友人を連れてきたお客さんも、8年ぶりに来た2人も、1~2杯で帰っていった。それと入れ替わりで、やはりまたお客さんがやってくる。
中心はリピーターだが、韓国人の2人組もやってきて、いつの間にか満席状態だ。途中でタバコを買いに行く人がいたり、2人連れの1人が先に帰ったり、それぞれが自由気ままな時間を過ごしている。そうした様子を神条さんは穏やかに見守る。
一応、TWILLOには毎日「題目」として神条さんが定めた言葉が黒板に書かれる。この日は「はくりょく」。それを軸に会話の花が咲くこともあれば、めいめいが話したいことを話すこともあるし、久しぶりの再会で旧交をあたためることも。店の上を電車が通り、あるいは道路をバイクがけたたましい音とともに駆ける、そうした屋外ならではの“ハプニング”が話題になったりもする。路上ならではの自由さが、そのまま店の魅力になっている。
気になる売り上げ事情は……?
そろそろ終電が近付いてきたのでお勘定を……と思ったところで、またTWILLOならではの驚きが。何とこの店には「価格」がない。すなわち、お客さんが自ら支払う金額を定める“投げ銭”のようなスタイルをとっているのだという。
知れば知るほど、この令和の時代に成り立っているのが不思議に思えてくるTWILLO。そもそも、元銀行員や国会議員秘書を務めたこともある神条さんは、なぜ「路上ビジネス」、しかも消えゆく屋台を生業に選んだのだろうか。
続く記事では、20年も続くTWILLOの収入事情や、神条さんの人生について聞いていく。

