新刊『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』を上梓した羽根田 治氏が、「山の日」に改めて考えたい、登山者としての心構えを解説します。
富士山登山規制から1年、効果のほどは
今年も富士山が山開きを迎え、2026年の夏山シーズンが開幕した。
富士山には山梨県側からの吉田ルート、静岡県側からの須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートの計4本の登山道があり、山梨県では毎年7月1日に、静岡県では7月10日に山開きが行なわれていた。
しかし、吉田ルートと須走ルートは8合目で合流しているため、吉田ルートを登ってきた登山者が、下山するときに誤って須走ルートに入り込んでしまうという混乱があとを絶たなかった。
このため、静岡県は山梨県と歩調を合わせ、今年から須走ルートのみ吉田ルートと同じ7月1日に山開きを行なった。御殿場ルートと富士宮ルートについては、例年どおり7月10日に開山した。
その富士山では、かねて登山道の大渋滞や自然環境へのダメージ、弾丸登山などのオーバーツーリズムが大きな問題となっていたことから、山梨県側では2024年より、静岡県側では25年より登山規制が導入されるようになった。
初めて両県で規制が実施された昨年、シーズンが終わってみれば、遭難件数・遭難者数は山梨県側が3件3人(前年比2件2人減)、静岡県側は36件36人(前年比17件30人減)、死者は両県ともに0人(前年の山梨県側は3人、静岡県側は6人)と、はっきり目に見える効果が表れた。
また、どの登山道でも著しい混雑は発生せず、弾丸登山など危険行為も減少したという。



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