有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ

ランチ会で繰り出されるママ友たちからの《さりげないマウンティング》に心をザワつかせないで済ませる「3つの方法」

10分で読める
他人との比較には、非常に高い心理的コストがかかっているという(写真:zon/PIXTA)
  • 櫻井 かすみ ファイナンシャル・ウェルビーイング研究者、ママ金融教育家、著者、ファイナンシャルプランナー、小学校教諭免許状保有
2/5 PAGES
3/5 PAGES

この構造の厄介なところは、終わりがないことです。収入が増える。すると、一時的には安心します。けれど、次の瞬間には、もっと上の誰かが視界に入る。比較対象が変わり、基準が上がり、また「まだ足りない」と感じてしまう。この繰り返しによって、不安は何度でも再生産されます。

なので、お金を増やしても安心できない、目標を達成しても満たされない。だから、「まだ足りない……」「もっと増やさなきゃ」が終わらないのです。このように使われるお金の状態も、まさに「不安を打ち消すための道具」として使われる「不安通貨」そのもの。

例えば、周りに遅れたくないから買う。不安を打ち消したくて保険に加入する。安心できる自分になりたくて、さらに情報を集める。誰かと比べて負けている気がして、必要以上にお金を増やそうとする。ここで大切なのは、お金の不安の正体は「足りないこと」ではなく、比べてしまう構造にあると知ることです。もし今、あなたがお金に不安を感じているなら、まず知ってほしいのは、それはあなたの意志が弱いからでも、努力が足りないからでもないということです。ただ、その"順位ゲーム"に入っているだけなのです。

このゲームのルールは単純です。人より上なら安心し、人より下なら不安になる。でも、上には必ず誰かがいる。だから、比較を続ける限り、心から安心できる日は永久に訪れません。

必要なのは、お金をもっと増やすことではありません。どのルールで生きるかを選び直すことです。他人の基準で生きるのか。自分の基準で生きるのか。自分にとって何が大切なのか。どんな状態を満たされていると感じるのか。何のためにお金を使いたいのか。これを自分で決めること。それが、比較から自由になる第一歩です。幸せとは、お金を増やした先にあるものではありません。誰かに勝った先にあるものでもないのです。

他人との比較に費やされる、目には見えないコスト

お金の不安を増幅させている最大の要因は、失敗でも損でもありません。他者との比較です。行動経済学では、人は比較による不利を実際の損失のように感じることが示されています。しかも、人は得る喜びよりも失う不安にはるかに敏感であり、他人より劣っていると感じること自体が、脳の中では心理的な「損失」として処理されるのです。

例えば、ママ友とのランチで投資の話題になった場面を想像してみてください。「うちは新NISAで教育資金を貯めてるよ」「えっ、うちはまだ学資保険だけ……」。さらに会話は広がります。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数