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ライフ #神童だったあの子の今

幼稚園のテストで「IQ127」→頭いいね!と褒められ親も大喜び 少年の想像もしていなかった「悲しい後日譚」

8分で読める
Kさんの中高時代
「自分は頭がいい」と知ったのは幼稚園のときでした(写真:本人提供)
  • 新倉 和花 東京大学法学部卒・麻雀プロ
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数字の意味も、127がどのくらい高いのかも分からないまま、「すごい」という言葉だけが、幼い彼の中に残った。

両親は彼を私立小学校に進学させた。トップ中学への登龍門として、幼少期からの英才ルートに乗せたのだ。だが、このルートに乗った瞬間から、Kさんの物語は想定とはまったく違う方向に転がり始める。

私立小学校で落ちこぼれる

入学後すぐに、Kさんは壁にぶつかった。

この私立小学校では、小学校の段階からすでに国語・算数・英語の科目ごとに能力別クラス編成が行われていた。子どもたちは、成績に応じて「上のクラス」「中のクラス」「下のクラス」に振り分けられる。

Kさんは、上のクラスに入れなかった。中のクラスと下のクラスを行き来する日々が始まる。IQ127の「天才」だったはずが、小学校入学と同時に、学年の下位層に分類されてしまった。

当事者にとって、この落差は激しかった。塾では「すごい頭がいい」と言われていた自分が、学校では「できない子」のグループにいる。テストの点数は、隣のクラスの同級生と比べれば明らかに劣った。

上のクラスにいる同級生たちは、Kさんを見下した。

テストの答案を見せつけてくる。難癖をつけてくる。「お前、これも分かんないの?」と馬鹿にしてくる。そのなかのひとりは、ことあるごとにこう言ったという。

「俺の方が頭いいんだから、俺は東大に行くんだ」

子どもが口にする「東大」という言葉は、まだ実体を持たない。だが、その発言がKさんに与えた傷は実体がありすぎるほどだった。毎日、自分より成績のいい同級生に「俺は東大に行く」と言われ続ける。「お前は頭が悪いから、お前には無理」という暗黙のメッセージが、その言葉の裏に常に添えられていた。

Kさんのマインドは、じわじわと削られていった。勉強への意欲がしぼみ、受験への自信が崩れていく。6年間の私立小学校生活は、彼にとって「自分は頭が悪いのだ」と刷り込まれる期間だった。

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