地震の直後、スマートフォンの画面に「圏外」と表示されたとき、打てる手はこの1年で大きく増えた。4月に始まった「JAPANローミング」を使えば、契約していない他社の電波で通話できる。衛星とスマートフォンの直接通信も大手3社に出揃った。問題は、使い方を知らなければ、いざというときに使えないことだ。
7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測した。この地震で、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルの携帯電話サービスに障害が発生し、翌29日にはソフトバンクにも障害が広がった。KDDIは八代市と人吉市で利用できない、または利用しづらい状況にあると公表した。NTT西日本の固定電話にも障害が出て、110番や119番の緊急通報がつながりにくい地域もあった。
そして28日夜、NTTドコモとKDDIは、影響エリアでJAPANローミング(フルローミング方式)の提供が始まったことを明らかにした。
試す順番はこうだ。圏外になったら、まず画面の表示を確かめてJAPANローミングが使えていないかを見る。携帯網が使えなければ屋外で衛星通信を試し、避難所や対応店舗では00000JAPANのWi-Fiを探す。つながったら、音声通話よりテキストで安否を伝える。本稿では、この手順を今回の地震の実例とともに紹介する。
なぜ圏外になったのか
KDDIによると、今回の障害は地震に伴う基地局の停電と、基地局までの伝送路の故障が原因だ。NTTドコモも八代市で伝送路の故障などによる障害を公表し、ドコモ回線を使うMVNOにも影響が及んだ。楽天モバイルも停電と一部伝送路の故障により、八代市や人吉市などでつながりにくい状況になった。

