障害は29日にかけて広がった。楽天モバイルの影響エリアは宇土市や宇城市、益城町などに拡大した。発災当日は障害のなかったソフトバンクも、29日午前2時30分ごろから八代市や菊池市などの一部で障害が発生し、ワイモバイルやLINEMO、MVNOの回線にも影響が及んでいる。地域によっては緊急通報も使えず、復旧の見通しは本稿執筆時点(29日午前11時30分)でも各社とも確認中のままだ。
2024年1月の能登半島地震でも、停波した基地局の大半は物理損壊ではなく、停電や光ファイバーの切断が原因だった。
携帯網が残っているなら「JAPANローミング」
今年4月1日に始まったJAPANローミングは、大規模な災害や通信障害の際に、契約していない他社の電波を借りて通信できる仕組みだ。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が互いのネットワークを開放し合う。利用は無料で、申し込みも要らない。6月の台風6号で初めて発動された。
今回の地震で発動されたのは、通話もデータ通信も使える「フルローミング方式」だ。対象は、障害が出ているドコモとKDDIの回線を使っている人で、au、UQ mobile、povoや、両社の回線を借りるMVNO(格安SIM)の利用者も含まれる。八代市や人吉市などの影響エリアで順次提供され、29日も継続している。
楽天モバイルは、自社の利用者向けには提供していないと説明した。ソフトバンクの回線についても、借りる側としての提供は発表されていない(29日午前11時30分時点)。
利用者の操作は基本的に要らない。対応端末なら自動で他社の電波をつかみ、画面上部の表示が「JPN-ROAM」に変わる。この状態で、緊急通報を含む音声通話、SMS、データ通信が使える。通信速度は送受信とも最大300kbpsに制限されるが、メッセージのやり取りや低画質の地図表示には足りる。

