生成AIなどで高度に情報武装した学生の「本音」が極めて見えにくくなっている超売り手市場において、面接のプロとしてのプライドを一旦脇に置き、最も身近なZ世代のサンプルである「我が子」に直接リサーチを試みる人事担当者の姿を詠んだ作品。
客観的な評価マニュアルや面接のフレームワークに頼るだけでは太刀打ちできない現状に対し、実際の同世代のリアルな心情を泥臭く学習し、次の選考に生かそうとする現場の涙ぐましい奮闘と執念が伝わってくる。手探りで若者理解を模索する人事の切実な日常が、どこか微笑ましく、かつ強い説得力をもってユーモラスに表現された共感を呼ぶ作品である。
大学入学と同時に就活開始
続いて、自社の身の丈に合った誠実なアプローチや、低学年化する超早期化の実態をついた佳作2作品を見ていきたい。
昨今の就活市場で学生から好まれる「圧倒的成長」や「早期キャリアアップ」といった威勢の良いトレンドに対し、あえて対極にある自社の等身大の姿を冷静に提示する「逆張り」の対話を描いた一首である。
「うち緩いんで」という脱力感のある口語表現を用いることで、背伸びをした不毛なミスマッチや早期離職を未然に防ぎ、自社の身の丈に合った適正なマッチングを図ろうとする企業の誠実な姿勢がうかがえる。
過剰な魅力のアピール競争から一歩引き、確実なリテンション(人材定着)を目指す現代的な防衛策と、多様化する働き方のリアルを的確かつユーモラスに描写した独自の着眼点が光る作品である。
インターンシップの形骸化と実質的な本選考化が進み、企業側のアプローチ対象が従来の大学3年生から、ついに「大学1年生」へと引きずり下ろされた狂騒的な超早期化の実態を鋭くついている。


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